新潟競馬を観戦しました

暑い夏、夏競馬。馬券もかなりアツいと評判ですが、記事作成時点で筆者は19歳であり、競馬法28条の定めに従い一切の勝馬投票券を購入せず、また譲り受けていないことを最初にことわっておきます。

第2回新潟競馬の1日・2日(7月30日・31日)を観戦してきました。暑熱対策として新潟札幌の2場開催となる2週間の1週目。その建前通りかなり暑い週末でしたが、とくに日曜にはかなり多くの来場者がありました。

目当ては、昨年のフローラステークスを勝ちオークスに進むもその後は大敗が続いていたクールキャット、そして同世代で牝馬クラシック2戦に出走後は2勝クラスを勝利し、3勝クラスで善戦していたククナ。ククナは結構YouTubeなんかでもネタに?されているみたいですが、クールキャットはそういうことでもないので、本当になんでもない自分がいろいろ喋るのも出資者等々の皆様に申し訳ない気がかなりしています。2頭の出馬表をチラっと見て両日行くことを決めたわけですが、その時点でアイビスサマーダッシュが頭の片隅にもなかったのだからこれも恐ろしい話。

前回(5/14・15)はささやかな節約にと在来線入りも考えていたりしたのですが(メイケイエールの京王杯スプリングカップ観戦のため変更、結果は最高)今回は迷いなく上越新幹線で飛びました。

 

7月30日(土)

始発よりは後の列車で新宿へ。埼京線で大宮まで。前日にサイバーステーションを見てわかってはいましたが、指定が埋まっていました。

5月は自由席で行けたのですがさすがに夏休み。埼京線からゾロゾロと乗り換えてそのまま新幹線改札に吸われていきます。そのあとはツイートにしたとおり。とき303号は越後湯沢で結構時間をかけて大半の客を降ろします。駅員が結構うるさく乗降促進、安全確保に叫んでいました。グリーン車に残ったのは…少なくとも自分の前方は全員競馬新聞を読むおじさんたち。終点新潟でもやはりそれらしい人々が多かったように思われました。

新潟駅で見たシルクの勝負服柄Tシャツの男女ですが、女性のほうはなんとクールキャットのゼッケントートを下げていました。運命かとも思いましたが、さっき書いた、こちらが申し訳なくなるような本気度もうかがえました。

直行バスで競馬場へ。新潟駅南口のバス停には50mくらいの列ができる瞬間もありました。

このとき新潟市の気温は31℃前後。30日としてはすでに最高気温に近かったのですが、試験明けで暑さに全く慣れない体はこの日差しの下で10分と耐えられそうにありませんでした。体がまずい方向にヒートアップするのを感じつつ、2R:3歳未勝利はメイショウアジロ(牡)の逃げ切り。バス車内からチェックしていた「1番人気の今村聖奈騎手」があっさり勝つところを目撃して、ターフィーショップに走りました。

実用性…ではないですよ。帽子が黒かろうが白かろうがそんなに性能は変わらないと思います。ソダシの帽子。今回は4歳牝馬たちを応援に来たわけですからぴったりです。もう少し青黄強めで金子さん色でもよかったかもしれません。

3R:3歳未勝利ドゥラメンテ産駒レッドアヴァンディ(牡)が勝利。ミルコ・デムーロ騎手のJRA1200勝達成の瞬間です。ポジションはともかくもう少しなんとかならなかったのかと思う一枚。

この後もうスタンド内に退避してうろうろしていたのですが、新馬パドックを見なければと思い出し、30分ほど頑張って張り付きました。暑さで頭が回っていなかったか写真を一切撮っていない痛恨のミス。若駒たちがパドックの直線のところで一様に人に驚いているのが印象的でした。

そしてレース。5R:2歳新馬は場内テレビで見ていました。1人気リバティアイランド(牝)が「フワっと」前をかわすとあとは3馬身差。画面も遠くから見ていたのでなんとなく速いなーくらいにしか思っていなかったのですが…

とんでもなく速かったようです。31秒4。注目すべき馬であることに間違いありませんが、いったいこの新潟の芝コースはどうしてしまったんだという感想も当然聞かれました。

5月に食べられなかった銀だこリベンジ。本当はスタンド側の芝生の上でピクニック気分と行きたかったですが、本当に暑く、人も多かったため断念。これはおうちで。

8R:新潟ジャンプステークス(J・GIII。ホッコーメヴィウス(騙6)が新潟障害3250mのコースレコードで逃げ切り勝ち。初めて現地でレコードの赤い文字を見ました。

ブービー入線だったテイエムコンドルがその後倒れるアクシデントがありました。後に映像を見たところホースで水をかけられていたので少なくともその瞬間においては熱中症の類という判断だったのでしょうか。起き上がろうとしているところは自分も目撃したのですが、結局その場から動けず馬運車で運ばれていきました。8月2日現在JRA等からこの件に関して発表はありません。

 

◆8月9日追記:

「競走馬登録・抹消一覧」に素っ気なく掲載されるのみという、最も寂しい別れとなってしまいました。安らかに。

 

思えば、札幌の除外続きがアナウンスされてからどうもこの週末はよろしくない雰囲気があったように思います。そして、最悪の事態が1時間後に起きることになります。

ソダシ帽をかぶっておいてなんたる失態か。その全妹ママコチャ(牝3)が10R:豊栄特別を3馬身半差で完勝し2連勝としました。17アイスを貪っており完全に見逃しました。秋華賞行きには消極的なようですので、丁寧にオープン入りを決めてマイルで姉との対決へ進んでほしいですね。これでブチコは1番仔ソダシが7勝、2番仔ママコチャが3勝。文句なしの名牝です。

メイン11R:関越ステークス(OP)は、4歳世代のホウオウイクセル(主な勝鞍:フラワーC)、クールキャット(フローラS)、ウインアグライア(若駒S)、キングストンボーイ(2着:青葉賞)、グレートマジシャン(4着:日本ダービー、2着:毎日杯)、アスコルターレ(マーガレットS)、グラティアス京成杯)…とそうそうたるメンツが集い、Twitterでは「同窓会」などと呼ばれていました。

注目も人気も集めたのはもちろんグレートマジシャン。あのシャフリヤール・エフフォーリアから0.2秒差、ステラヴェローチェと同タイムでのダービー4着は極めて高く買われ、ダービーからちょうど1年2か月の休み明けでも単勝2.4倍の1番人気に支持されました。

何の皮肉か、グレートマジシャンが写り込んですらいないパドック写真。のちに取り沙汰される「早仕上げ」の言葉もありましたが、1頭だけ明らかに格が違いました。撮っておけばよかった。心の底から後悔するデキでした。これはもう勝たれるのはしょうがない、愛馬は2着なんとか穴空けてくれ…との声がTwitterでも聞こえました。

クールキャットは最終的に25.7倍の7番人気での出走になりました。鞍上は1月の愛知杯で9か月ぶりの1桁着順に導いた団野大成騎手。

レースはもう夢中でした。クールキャットの出はそこまでよくなかったか、しかし許容範囲か、そんなことをちょっと思いながら中団後ろでの追走を見守っていました。後々見返すとグレートマジシャンと同じポジションだったわけですね。圧倒的な存在感のグレートマジシャンがどこか非現実のような感覚のまま直線。不自然なざわめきにはほぼ気が付かず、1番人気馬が実況で呼ばれないのにも気が付かず、赤帽のシルクの馬を必死に探しました。馬群はすでに決勝線に達しようというそのとき。前3頭に1馬身差食らいつくクールキャットを目にしたのです。

4着。勝ち馬イクスプロ―ジョン(牡4)から0.2秒差。ビターですが、希望も感じられる結果だったと思います。一時は二桁大敗が続いた馬。まともに前で競り合えたことに、何より安堵が勝っていました。

しかし。前3頭の名前を探すより前に、熱狂が収まったスタンドにアナウンスが刺さります。

「なお最後の直線200のところ、11番グレートマジシャン 復帰戦だったグレートマジシャン。ジョッキー下馬、競走を中止しています」

 

最終は見ずに宿へ帰りました。

7月31日(日)

割とさっさと寝たと思っていましたが、さすがに疲れていたか9時前ごろに起床。南口バス停に向かいますが、この日は前日よりさらに長い列ができていました。パドックで散々やられた身として、競馬場に着く前から焼かれるわけにはいかない。直行バスを断念しました。

万代口のバスターミナル。簡易的な壁の向こうに横並びになったバスに、車両の間から乗り込むなんとも窮屈なつくり。これも完全高架化がなった駅の直下に収まることになるんでしょうか。新潟交通E23系統競馬場行きは、直行よりははるかにマシな人数を乗せて9時47分に発車しました。

謎の広い踏切。信越本線貨物支線・焼島~東新潟港の休止線だそうです。

道路が終わっていました。車社会でのバスは弱いなとつくづく感じます。新潟市は人口80万あって空港行き鉄道も成り立つでしょうから、何かの間違いでそれを競馬場まで伸ばしてくれないでしょうか。メインがアイビスサマーダッシュでも、本州で唯一の開催場であることに違いありません。本来地理的に近いはずの人々の観戦が容易になるように羽越新幹線の整備も。と、交通事情にキレながら鉄道による救済を妄想する暇までもらったところでバスはようやく一般車群を捌いて競馬場へ。

そろそろ見慣れてきたエントランス。

ホテルでおなか吹田市とつぶやいたからにはまずメシです。ニルス3F「大福」のミートソース。今回はちゃんとセルフサービスの粉チーズもしっかりかけました。しかし今回はこの時点で場内のあらゆる椅子も、あるいは階段などもびっしり埋まっていたため、3Fパドック側の屋外に座り込んで食べることになったわけです。この時点で人の数は異常というべきレベルでした。

さてすでに横のパドックでは4R:3歳未勝利に出走するピエドラデルーナ(牝)が人々の視線を集めていました。父キタサンブラック、母スイープトウショウ。10冠ベイビーです。イクイノックスを思わせる派手な流星にメンバー中でも大きかった506kgはなかなか目立ちます。

ミートソースを食べたその場所から慌てて撮った写真。流星がよくわかります。

未勝利で拍手です。ピエドラデルーナも注目されていたでしょうが、それ以上に新潟全体が熱気に包まれていました。同馬は15着。かなり苦しい結果になりました。

そういえばツイートしていなかったソフトクリーム。日光に当たった瞬間猛烈な勢いで溶け始め、かなり焦りました。

一気にすっとばして10R:佐渡ステークスです。3勝クラスでは2着3着2着のククナ。検索からふぁぼも付き、馬券だけでない人気がうかがえます。

結果は…3着。競馬は難しいですね。2323と考えた人は3連単が当たったでしょうか。オープンの壁を感じる声を聞きました。

メイン11R:アイビスサマーダッシュGIIIについてはツイートしたとおりです。昨年、バカラクイーン菅原騎手が内ラチ沿いを進む戦法で3着に入ったことから大きなトレンドの変化となり、4頭が内ラチへ寄っていきました。二分された馬群が正面から映し出されたときの、大逃げを見たときともまた違った大騒ぎ。映像もご覧いただきたいですが、あれは現地で感じられてよかったです。今回は外に行った馬で掲示板となりましたが、その直後に内ラチ勢も続いているので、内を引いて外についていったらどちらにせよほぼ終わりな現状、かなり見ている側も楽しめる選択肢が広まってきたのではないでしょうか。ビリーバー(牝7)が1000m54.4秒で日本最速の称号を手にしました。牝馬が強い重賞ですが、7歳は驚きですね。

www.youtube.comバスを恐れ、結局日曜も最終は見ずに帰ることにしました。土曜にツイートにしましたが、小学生のころからずっと大型バスが大の苦手なのです。そして直行バスはさんざん並んだあとに大型が来るリスクがありました。なので各停路線バスに収まるために早く出なければならなかったのです。帰りも道路は終わっていました。ドアを閉めてから道に出るのに5分弱待たされたような記憶です。もっとも競馬場を離れればあとは車道のトレンドとは反対だったようでスイスイ進みましたが。

あとはまっすぐ関東へ。東京まで各停のとき338号、行きで味を占めたグリーン車で。あとは中央線快速~ホームウェイ13号の3分乗り継ぎを成功させておうちに帰りました。

 

おわりに

文章にはあまり出しませんでしたが本当に暑かったです。札幌記念は感染再拡大によって事実上の門前払いを食らい、競馬はこの限りになったのでそこは問題ではなかったのですが、夏の旅行全体に覚悟を求められそうです。当然、四国ゴリ推し月間にしたいと思っていますが…

競馬としては、ちょっと残念なことが多かったですね。日曜も除外中止はありましたし、テイエムコンドルやグレートマジシャンのことはTwitterでもあちこちで論争になっています。2場開催による暑熱対策の限界とナイターの可能性、クラブ馬の管理における調教師の権限の範囲など…ファンは信じることしかできません。もし、避けられる悲劇だったのなら、もう次はないように努力してくれていると。

ヴァイスメテオールルクシオンに、志半ばでターフを去った馬たちに思いを馳せながら、どうかもうこの世代からこれ以上奪わないでくれと、勝手ながら願うのみです。グレートマジシャン号の蹄跡を称え、冥福を祈ります。

新潟障2そこまでおそこ害 httpででででs://twitter.com/messages/media/1553889999137181700

https://twitter.com/messages/media/1553889999137181700

https://twitter.com/messages/media/1553889999137181700